ハナビラタケとは
埼玉県立熊谷農業高校科学部が人工栽培に成功したきのこ「ハナビラタケ」に、大量の抗がん成分βー1、3−グルカンが含まれていることがわかり、薬理作用の研究が始まりました。
ハナビラタケは関東以北の山間部で夏から秋口にかけてアカマツやカラマツなどの針葉樹の切り株や根元に生えます。根元の柄は太く、多数の傘が花びらのように広がって、直径20〜30cmの大きな株をつくります。歯触りがよく、松茸に似た甘い香りで愛好家には食用として珍重されてきましたが、天然物は少なく一般にはほとんど知られていませんでした。
日本菌学会会員で埼玉キノコ研究会副会長を務める熊谷農業高校の福島隆一教諭は、1990年からハナビラタケの研究に取り組み、93年に初めて人工栽培に成功しました。その後、福島教諭の指導の下に科学部で大量栽培と栽培期間の短縮などの研究を続けています。96年と97年には、日本学校農業クラブ全国大会で二年連続で最優秀賞を獲得しました。
日本食品分析センターの分析によると、100g中に43.6gという大量のβー1、3−グルカンが含まれていることが分かりました。この分析結果に注目したのが、20年にわたりβーグルカンの研究を行ってきた、東京薬科大学薬学部第一微生物学教室の宿前利郎教授です。同教室の大野尚仁助教授らとともに、98年12月からマウスによる実験で抗がん作用を調べました。
ハラビラタケは高い割合で抗腫瘍性6分岐βー1、3ーグルカンを含有しており、粗抽出物にも高いβー1、3−グルカンが認められたことが興味深いとしています。
この実験の成果は、99年3月に徳島で行われた日本薬学会第119年会で発表され注目を集めました。同教授らはまた、99年10月に横浜市で開催された「第2回日本代替医療学会学術集会」でも、さらに進んだ研究成果を発表しています。
きのこ健康読本2 新しい「きのこの時代」にむけて 長谷川佳哉東洋医学舎主幹
動向 注目される「新顔きのこ」たち よりハナビラタケについて抜粋

ハナビラタケ
学名 Sparassis crispa
分類 ハナビラタケ科
発生地・形態 夏から秋にかけてアカマツやカラマツなどの針葉樹の切り株や根元に生える。多数の傘が花びらのように広がって、経が20〜30cmの大きな株になる。色は白からクリーム色。関東以北の亜高山帯に多い。
薬効成分 抗がん成分のβーグルカンの含有量が極めて高いきのこで、日本食品分析センターによると乾燥ハナビラタケ100g中に43.6gが含まれている。
最近の学術発表 第二回日本代替医療学会(1999年10月)で東京薬科大学薬学部・宿前利郎教授/熊谷農業高校・福島隆一教諭らが「ハナビラタケ由来の抗腫瘍性βーグルカンの構造と活性」を発表している。
また、日本薬学会第119年会(99年3月)では、同グループが抗がん性の発表を行っている。これはマウスに肉腫のがん細胞を移植したのち、ハナビラタケのエキスを腹腔内注射して五週間後のがん細胞の抑制率を調べた結果、90%を超える抗がん効果を示したというもの。
きのこ読本2 最近のきのこ大事典 (東洋医学舎) からの抜粋
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